自主生産品・プロジェクト
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いのちの森づくりとは?
「どんぐり」の実から苗木を育てることは、障害の有無を問わず豊かな情操を育み、力を合わせて自らが育てた苗木が各所に根付き何れ見事な森に育つことに思いを馳せることは、「生き甲斐」にも繋がります。
進和学園ではホンダ車部品の仕事を中心に授産事業を展開していますが、作業種の多角化も重要であり、製パン・クッキー、農産物加工、原木しいたけ、クリーニング、クラフト、陶芸等の自主製品販売や施設外就労にも注力しています。障害者ご本人の自立・所得対策(工賃確保)の一環として、皆で栽培した苗木を各所での森林再生や緑化活動に広くご利用頂くことを目指しています。
現在、地球的規模で温暖化が進行し、CO2(二酸化炭素)の濃度を如何に低減させるかが重要な課題とされています。人類共通の「環境」問題への対応としても樹木を植えることは極めて有効であり、特に宮脇先生の指導される「本物の森づくり」は、環境、水源、防災にも役立つ優れた方式です。
更に、宮脇先生の「森づくり」の考え方は「人づくり」にも通ずる「哲学」を内包しているといえます。私達は、「いのちの森づくり」プロジェクトを通じて、福祉・環境・教育。労働の連携を図ることを目指しています。「進和学園から世界へ」とは、宮脇先生に命名頂いたものですが、立派な大樹も一粒の「どんぐり」から生まれました。私達のささやかな取り組みも何れ芽を出し大きく成長して行くことを信じて、一同力を結集して挑戦して参ります。
進和学園から世界へ
福祉・環境・教育・労働 の連携 ~苗木の提供本数 累計30万本突破!~
ドングリや木の実から苗木を育てることは、障害の有無を問わず人々の豊かな情操を育み精神(心)の自立を促します。力を合わせて自らが育てた苗木が各所に根付き、何れ見事な森に育つことに想いを馳せることは「生き甲斐」にも繋がります。
「いのちの森づくり」は、地球的規模で進展している温暖化対策(CO2削減)として、私達一人一人が取り組めるささやかな行為であると共に、今、日本人が忘れかけている自然への畏敬の念や感謝の気持ち、他を思いやる優しい心、人との絆といった大切なものを呼び起こしてくれる営み
「福祉」「環境」「教育」「労働」の連携に通ずる「いのちの森づくり」プロジェクトへのご支援を宜しくお願い申し上げます。
進和学園「いのちの森づくり」苗木の提供実績(2024.3.31 現在)
年 度 | 苗木の出荷本数 (内、「友の会」基金活用分) |
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2009 | 11,986本 (2,704本) |
2010 | 24,243本 (3,675本) |
2011 | 28,064本 (3,534本) |
2012 | 39,650本 (14,476本) |
2013 | 38,607本 (17,594本) |
2014 | 22,489本 (10,967本) |
2015 | 20,392本 (8,381本) |
2016 | 26,132本 (14,202本) |
2017 | 26,271本 (15,130本) |
2018 | 22,910本 (11,683本) |
2019 | 27,224本 (14,881本) |
2020 | 16,268本 (8,343本) |
2021 | 20,258本 (10,625本) |
2022 | 22,805本 (10,183本) |
2023 | 17,727本 (11,417本) |
合 計 | 365,026本(157,795本) |
私達が育てている主な樹種
高木 | アラカシ、シラカシ、スダジイ、アカガシ、タブノキ、ウラジロガシ、ウバメガシ、ヤマモモ、カクレミノ、クヌギ、コナラ、ムクノキ、ヤマザクラ、クスノキ 等 |
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中木 | イロハモミジ、ネズミモチ、ヒメユズリハ、ヤブツバキ、モチノキ、サンゴジュ 等 |
低木 | アオキ、シャリンバイ、ヒサカキ、サザンカ、サツキ、マンリョウ、トベラ、ナンテン、クチナシ、アセビ、センリョウ、ムラサキシキブ、ヤマブキ、イヌツゲ、ヤツデ、ジンチョウゲ、マサキ、カナメモチ、ガマズミ 等 |
苗木のお求め・お問合わせ
■ 苗木のお求め・お問い合わせ先
社会福祉法人 進和学園 しんわルネッサンス
TEL:0463-58-5414
FAX:0463-58-5329
Eメール:rune-selp@shinwa-gakuen.or.jp
(株)研 進 (進和学園就業支援団体)
TEL:0463-58-5267
FAX:0463-58-2675
Eメール:kenshin@mg.scn-net.ne.jp
■ 「どんぐり育苗キット」のご案内
皆様に「自然の森」の再生に参画頂きたいとの願いから、楽しい「どんぐり育苗キット」を提供させて頂いています。ご家庭で職場で学校で、実際に「どんぐり」をトレーに撒いて発芽させ、可愛いポット苗を栽培することが出来ます。 また、私達自らが育てている「どんぐり」の発芽状況・生長過程をご紹介しています。
■ 「里山-BONSAI」(環境大臣賞グッドライフ特別賞受賞)のご案内
「里山-BONSAI」は、ヒノキの間伐材を繰り抜いた台座にドングリの苗木や可愛い芽株を植込み、身近に里山の緑を楽しめるユニークな鉢植えキット。都市に住む皆さんにも、日本の美しい里山風景を感じて頂けるよう、盆栽風にアレンジしています。
「アーバン・シード・バンク」プロジェクトの一環として誕生、苗木の一部は、進和学園はじめ「どんぐりブラザーズ」が栽培した幼苗を活用し、製作は、研進&進和学園メンバーが担当させて頂いています。
「里山BONSAI」は、2016年度環境省のグッドライフアワードにおいて、環境大臣賞グッドライフ特別賞を受賞しました。
* 環境省HP掲載記事はこちら
⇒ 環境省グッドライフアワード・レポート
* YouTube動画配信(編集:環境省)
⇒ YouTube 動画配信「里山BONSAI」プロジェクト
*環境大臣賞表彰式の模様はこちら
⇒ アーバン・シード・バンク(2016.12.15)
*「里山BONSAI」のご購入お申込み ⇒ 「アーバン・シード・バンク」商品オーダー
プロジェクト立ち上げの様子
「いのちの森づくり」プロジェクト・キックオフ集会
「まじぇる会」の皆様より「どんぐり」の種類についてお話を伺った後、小雨にも拘わらず湘南平の「どんぐり」調査を行いました。「まじぇる会」の方々は、宮脇先生の薫陶を受けているだけあって多少の雨なんか全く関係なしといった様子です。「これはアラカシ、あれはタブノキ、そっちはスダジイ・・・・」と次々に教えて下さいました。学園利用者の皆さんや職員も、いつの間にか降る雨も時の経過も忘れて「どんぐり」の木を探して回りました。
かくして進和学園の「いのちの森づくり」プロジェクトは目出度くスタートしました。
「進和あさひホーム」ビニルハウスでの栽培(写真上)
2006年11月~2007年5月、本格的な栽培拠点である「どんぐりハウス」が稼動するまでの7ヶ月間、「ドングリ」の実生は「あさひホーム」のハウスで「ナデシコ」や「あじさい」と一緒に大切に育てられました。
「まじぇる会」の皆様との交流(写真上)
(写真は、2006年の「まじぇる会」総会・新年会/宮脇先生の日本人初のブループラネット賞受賞をお祝いするおめでたい集いとなりました)
エスペックミック(株)様ご指導(写真上)
(写真は、2006年11月、同社を訪問し栽培現場を見学させて頂いた時のものです。大規模かつハイレベルな栽培状況に感銘を受けると共に、一歩でも近付けるよう皆で挑戦して行こうと語り合いました)
エスペックミック株式会社様「森づくり」
宮脇昭先生との出会い~「しんわルネッサンス」植樹祭~
不思議な嬉しいご縁
「しんわルネッサンス」における仕事は、「進和職業センター」から継承するホンダ車部品組立加工ですが、宮脇先生は30年以上前から本田技研工業各製作所の「ふるさとの森づくり」を指導されていた事実をお聴きし有難いご縁を感じました。
更に私達が驚いたのは、その「ふるさとの森づくり」の発案者が本田技研工業の当時副社長でいらした西田通弘様であったことです。西田様には、進和学園におけるホンダ車部品授産事業創業当初よりご支援頂いており、今も進和学園の顧問として両者の掛け橋となってお導き頂いています。正に、不思議な嬉しいご縁というべきでしょう。
「しんわルネッサンス」竣工記念講演会
「しんわルネッサンス」植樹祭
・ノンフィクション作家:一志治夫さんのブログ
「一志治夫の取材ノート/人の引力~平塚にて~」
・sandyayanoさんのブログ「森好き*旅好き*ランダムノート」
・エスペックミック(株)様 植樹事例紹介「しんわルネッサンス」
・横浜国立大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー講師:板野康治様のブログ
「本物の森」をつくる宮脇方式
「本物の森」をつくる宮脇方式
日本においては、関東以西、標高800Mまでの「潜在自然植生」は「常緑広葉樹」です。シイ、タブ、カシ類の高木を主体に中・低木も自然のシステムの中で競合しつつ共生してバランスのとれた「本物の森」を形成するのが本来の姿です。例えば、神社仏閣に残された「鎮守の森」が本来の森の姿を物語っています。「鎮守の森」は、「神様が宿る森」として大切にされ巨木になるまで育つことができたのです。日本人が残してきた財産ともいえます。現在では都市開発や針葉樹(スギ、ヒノキ)中心の林業、人為的に植えられた外来種の木々が増えて「本物の森」は失われつつあります。
「本物の森」は、厳しい環境においても長持ちし、管理コストも最小限に止めることが出来ます。また、主役のシイ、タブ、カシ類は深根性、直根性のため地中深くまっすぐに根を張って台風、地震、大火、洪水などから人間の命を守ってくれます。宮脇方式は、正に「いのちの森づくり」の名に相応しい森林保全・再生のための植樹方式といえます。
宮脇先生のお言葉
・「自然の森は、色々な種類が混ざり合っています。これが生物社会の掟です。好きなものだけを集めない。人間社会も一緒です。仲の良い者だけ集めても駄目なのです。混ぜる、混ぜる、混ぜるんです。無駄なものは一切ないのです」
・「生態学的な共生というのは、競争しながら少し我慢して一緒に生きることです。全て満足すると駄目になる。本物は厳しい環境において長持ちするものです」
・「今生きていることが幸せであり、この瞬間がすべてです。生きていることは天文学的な奇跡なんです。少々のことがあっても、大変だなんて考えないでもらいたい。とにかく前向きに考える。絶対に諦めない。やらずに心配しないで、やりながら考えてもらいたい」
「森づくり」は「人づくり」
生態学的な共生とは、競争しながら少し我慢して一緒に生きること。全て満足すると自然も人間も駄目になる。本当に大切なものを守るためには、多少の辛抱や不自由は覚悟すべきであり、目先の利益にとらわれず長期的に広い視野で物事を見るべきと先生は語られています。家族の絆、ご近所・学校・会社での人間関係も然り、日常生活における様々な局面で、そして、持続可能な社会の実現に向けて、地球的規模で進展する温暖化や環境問題への対応を考える時にも、先生の一言一句が胸に迫って来ます。
先生の森づくりに参加し、私達は「本気」でやること「一生懸命」になることを改めて学びました。最近、特に日本人は、この当たり前の言葉を忘れてしまっているのではないでしょうか?動機が曖昧なままに過ごしている、生きているという実感が希薄になっている、社会全体にエネルギーが感じられない・・、そのような気がしてなりません。私達は、今こそ「本気」で「一生懸命」に生きなければならないと思います。先生がおっしゃる通り、生きていることは天文学的な奇跡であり、私達は「生」を受けたことに感謝し、「いのち」を大切に育まねばならないのです。
宮脇昭先生の著書
①「三本の植樹から森は生まれる-奇跡の宮脇方式」
(2010年4月/祥伝社 1050円)
巻末特集「宮脇方式で樹を植える人々」において、進和学園の活動が紹介されています。(P.196)
②「森はあなたが愛する人を守る」
(2009年10月/講談社 池田明子氏との共著 1470円)
ポット苗の注文先情報として全国5団体の一つに研進・進和学園が紹介されています。(P.145)
宮脇昭先生のDVD「未来を照らすいのちの森」
4,000万本の木を植えた植物生態学者 宮脇昭先生(横浜国大名誉教授)の映像記録を収録したDVD(製作:「いのちの森」映像化プロジェクト/発売元:株式会社イデアオフィス)が発売されました。
第1章 いのちの森
宮脇先生のメッセージおよび解説による潜在自然植生に基づく
「その土地本来の木による本物の森づくり」を豊富な植樹実績
の紹介を通じて把握することが出来ます。
第2章 いのちの森づくり
木を植える人達の活動や企業の森づくりの模様が分かり易く紹介
されています。進和学園の「いのちの森づくり」プロジェクトについても収録されています。